9情報化と私たちの生活の変化

情報化が進展すると,私たちの生活はどのように変化するのだろうか。

1私たちの生活の変化

情報技術の発展により,私たちの生活は大きく変化した。住宅内で使われる電化製品や自動車など,身の回りのさまざまなものがインターネットに接続されるようになり,新たなサービスが提供されている。

また,学びや仕事においても,インターネットを活用することによって,場所と時間を選ばずに授業を受けたり,仕事をしたりできるようになり,生活スタイルの多様性が広がりつつある。

2人工知能(AI)とロボット

人間の知的な活動をコンピュータで実現する技術は人工知能(AI)とよばれる。人工知能を用いた文章の自動翻訳,音声認識,音声合成,顔認識などが既に実用化されている。

ロボットは,人間の模倣だけでなく,人間が働くことのできない危険な場所で働いたり,高速に予測・判断して適切な処理を行ったりすることにも向いている。また,玩具やペットの代わりとして,人間を楽しませたり,癒やしたりする役割も期待されている。

図1さまざまなロボット

さまざまなロボット

3健康への影響

情報機器を用いた長時間の作業は,肩凝りや視力の低下などのVDT障害を引き起こすことがある。照明の位置や机・椅子の高さを調節して適切な作業環境を整え,正しい姿勢や適度な体憩などの望ましい習慣を身につけることで,これらの症状を防ぐことができる。

また,コンピュータでの作業に伴い,いらいら,不安感,社会生活への不適応などのテクノストレスを感じることがあるので,自分を適切にコントロールすることが大切である。

インターネットに長時間接続してSNSの閲覧や動画の視聴などに夢中になったり,ネットワークを利用したゲームに長時間費やしたりを続けていると,ひどい場合はネット依存になることもある。

図2スマートフォン利用により減った時間

スマートフォン利用により減った時間

図3VDT障害

VDT障害

COLUMN

人工知能(AI)で仕事と社会が変わる

セルフレジや自動運転車が普及すれば,レジ係や運転手は不要になる。では,今ある仕事は全て人工知能が行うようになるのだろうか。

確かに,同じ動きを繰り返す単純作業や大量の情報を処理する事務作業は,人間より人工知能が向いている。一方,状況に合わせてとっさの判断を下すような仕事は,人間のほうが得意である。だとすると,人工知能と人間はそれぞれ得意な仕事をすることになるはずだ。

更に,新しい技術に合わせて社会も変化する。例えば,洗濯機の普及によって洗濯は重労働ではなくなったが,洗濯の回数が増え,より清潔さや白さが求められる社会になった。

では,今ある仕事が人工知能で行われるようになると,私たちの社会はどのように変化するのだろうか。この問いを考えるのは,私たち人間の仕事である。

洗濯の変化

やってみよう!9

毎日のインターネット利用時間を記録して,ネット依存になっていないか考えてみよう。

社会とのかかわりeスポーツ

ゲームは,依存など心身に及ぼす影響が問題視される反面,仲間作りに役立つことも報告されている。ゲームを用いた競技であるeスポーツには,スポーツとしてのゲームの新たな可能性が期待されている。

eスポーツ

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