8情報技術の発展
私たちの身の回りでは,新しい情報技術がどのように活用されているのだろうか。
1高度な画像処理と3次元処理
コンピュータの処理速度の高速化と画像処理技術の進歩により,立体画像を画面内で自由に回転表示させたり,3Dプリンタで立体物を作成したりできるようになった。これらの技術は,映像制作やその処理にも応用され,映画やアニメーションなどさまざまな創作に利用されている。また,平面のスクリーンではなく,建物など凹凸のある壁面に効果的に映像を映すプロジェクションマッピングが開発され,私たちを楽しませてくれている。
図13Dプリンタで作られた模型

図2プロジェクションマッピング

2バーチャルリアリティ(VR)と拡張現実(AR)
バーチャルリアリティ(VR)は仮想現実ともよばれ,仮想的な空間で,現実と錯覚するような視聴や体験をすること,あるいはその感覚のことである。
拡張現実(AR)とは,人が知覚する現実の環境をコンピュータにより拡張する技術である。バーチャルリアリティが仮想的な空間を作り出すのに対し,拡張現実はカメラなどを通して見ている現実の一部に情報を付加して表示する。
図3VRを活用したゲーム

図4ARとVRの違い

図5ARを活用したゲーム

3電子マネー
貨幣価値をデジタルデータで表現したものを電子マネーという。電子マネーはクレジットカードや現金の代わりに買い物に使われたり,インターネットを利用した電子商取引の決済手段として使われたりする。
電子マネーには,IC型やネットワーク型など,さまざまなタイプがある。IC型は, カードやスマートフォンに組み込まれた専用のICチップに金額のデータを記録するもので,交通系電子マネーや流通系電子マネーなどがある。ネットワーク型には,インターネット上で金銭情報を管理するものや,コンビニエンスストアなどで購入されるプリペイドカードなどがある。
図6さまざまな場面で利用される電子マネー

やってみよう!8
電子マネーと現金を比較して、電子マネーの便利なところや困った経験などを話し合ってみよう。
社会とのかかわりセルフレジ
商品のバーコードの読み取りや精算を客が行うセルフレジを,スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで見かけるようになった。セルフレジの普及によって,レジの混雑解消や人手不足対策となることが期待されている。

豆知識8キャッシュレス社会
日本のキャッシュレス決済率はまだ低いが,韓国やイギリスなどではデビットカードやスマートフォンアプリなどの決裁方法が一般的になっている。
※1 VR(Virtual Reality):仮想空間に没入し,現実のように体験できる技術。
※2 AR(Augmented Reality):現実の風景にデジタル情報を重ね合わせる技術。