4情報モラル

インターネットを利用する際に守るべき決まりには,どのようなものがあるのだろうか。

1情報モラルとは

情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度を情報モラルという。インターネットを利用する際に必要な心がけの基本は,「他人に迷惑を掛けない。」「他人を不愉快にさせない。」「他人や自分の安全に気をつける。」といった,日常における一般的なモラルと同じである。

インターネット上の情報は高速で拡散しやすく,一度流れた情報は簡単には消えないという特徴がある。このため,誤った情報が瞬時に広まってしまい,訂正や削除の指示も届かず,社会問題を起こすことがある。

また,望ましくない情報が永久に残る可能性もある。そのため,インターネットの特徴を踏まえた情報モラルを身につけなければならない。

図1情報モラルが求められる場面

情報モラルが求められる場面

2マナーとルールと法律

快適な社会生活にはマナーが欠かせないのと同様に,情報社会においてもマナーは欠かすことができない。匿名で発言できるからといって,無責任な発言をしたり,誹謗中傷を行ったりしてはならない。

マナーだけで解決できない問題には,ルールを作る必要がある。青少年がインターネットを利用する場合に保護者がフィルタリング※1を設定することなどは,ルールの一例である。ルールの中でも特に重要と思われる内容については,強制力を持った法律として整備されることがある。

3情報社会の安全を守る法律

社会の情報化の進展に伴い,いくつかの新しい法律が生まれた。法律は,いったん施行されると変えることが難しく,施行されたことによる弊害について慎重に議論されるため,時間をかけて制定されることが一般的である。このため,社会の情報化や情報技術の進歩に法律が追いつかない現状も指摘されている。

図2情報社会の安全を守る法律

情報社会の安全を守る法律

やってみよう!4

法律が社会の変化に対応できていないと考えられる例を挙げてみよう。

社会とのかかわりながら使用

携帯情報端末の「ながら使用」によって,駅のホームから線路に転落したり,自転車の運転中の使用によって死亡事故が起こったりしている。軽い気持ちで行ったことが,自分や他人の今後の人生を奪う結果となっている。

ながら使用

豆知識4ホワイトハッカー

サイバー攻撃を防ぐため高度なIT技術を活用する人。本来,ハッカーという言葉に善悪の意味はないが,攻撃者と区別する言葉として使われる。

※1 フィルタリング(filtering):アダルトサイトや危険なサイトなど,特定の条件により,アクセスを制限する機能。